新卒1年目で幸運を引き寄せて会社を救った話


「実力も経験もない人間はおおきな成果を残せない」なんてことはないと思ってる。それは自分が能力も低く経験もないときに、仕事で
誰もが想像しなかったホームランを打った経験があるから。ホームランは打とうと思ってなかったら打てない。宝くじは買わないと当たらない。

運を引き寄せる行動

仕事で大きな成果を残すのは難しいし再現性ってたぶん限りなく低い。再現性高く仕事するのは経験が長い人ですら難しいと思ってる。計画管理をめちゃくちゃ丁寧にやる上場企業ですら結果が計画から大きく外れることが多々あるくらいだから、ぼくらのような業界経験の浅い若手が緻密な計画をたててその通りに行くってことはとくに難しい。

ただ、そんな若手でも大きな成果は残せると信じてる。実現したいと本気で信じて動いているとチャンスは巡ってくるから。それを逃さなければいい。

ぼくは麻雀が好きなんだけど、基本的には弱い。でも勝てる時はほんとうに勝てる。ときには自分よりめちゃくちゃ強い人よりも大きな差をつけることもできる。確率の問題を舐めてはいけない。タイミングを間違えなければ勝てる。逆にタイミングを逃すといつまでも勝てない。

ゲームに運がいいときと運が悪いときがあるみたいに、仕事でも運がいいときと悪いときがある。でも「運がいいタイミング」は多くの場合、誰も教えてくれない。大きな成果を残したいなら常にチャンスを狙っていないといけない。

ここから先は僕の新卒時代のはなし。

新卒なのに営業目標達成率1000%を実現した話

ヒットを1本も打てない新卒営業

ぼくは新卒のときにITベンチャーで営業の仕事をしていたが、1年近く売上目標の10%すらも達成できなかった。その時が人生で一番辛かったかもしれない。ヒットの1本すら打てなかったのだ。

営業チームは自分と上司の二人しかいなかったから会社の存続に関わる事態だった。自分が一番足を引っ張ってる自覚があったし、社内の目線がとても痛かった。

それぞれのやるべき仕事を見失っていた

そして、自分が入社してから1年たとうとする頃に社長から「あと3ヶ月間いまの状況が続いたら会社のお金が尽きる」と社内に告知があった。

当時は会社の雰囲気も悪く、会議では営業が詰められた。誰のせいで結果が出てないかを追求する責任のなすりつけ合いの会議だった。毎週月曜日に営業を詰める会議があるときは自分はなんとか会議をやり過ごすことに必死になってた。マーケティングチームは緻密な戦略をたててそれをぼくら営業に実行させることに必死になっていた。それが1ヶ月経っても、2ヶ月たっても成果は出なかった。信頼関係もなかったし、もはや目的はそれぞれの保身になってしまって、その戦略を実行して成果をあげることは誰も心の底から願ってなかったと思う。

「戦略を立案してあげている」という「仕事やってる感」が彼らの心を安心させていたのかもしれない。本当の仕事は成果を出すことなのに。

半年前の営業先から突然の相談

社内の雰囲気の悪さや将来が信じられなくなって多くの社員が辞めていった。例の営業を詰める会議が行われるようになってから2ヶ月が経つころ、辞めていった先輩から僕が引き継いで、過去に数回だけ営業をしたお客さんから連絡があった。まだ取引がなかった大手企業のお客さんからのメールだった。

「たぶん規模的に無理だと思うけど、こんな仕事を1ヶ月で完了してほしいんです」

予算を聞くとそれは1年分の売上目標を1回で達成する規模の仕事だった。しかし、この規模の仕事は受けたことがなかったため、正直会社にはそんなにリソースがなかった。まともに考えれば受けるべき仕事じゃなかった。でも、「これはチャンスだ」と思った。「この仕事を受ければ会社は成長できるかも」と。

すぐにお客さんに電話をかけて「この仕事ぜひやらせてください。すぐに提案書をお送りします」と返答した。

実現のために全力で人を頼った

正直、プロジェクトが始まると社内が混乱することは容易に想像できたし、自分だけで提案しても失注するとわかっていた。すぐに、納品を現実化するための会議を開いてもらった。

「自分はこの仕事を全部引き受けたいけど、僕はなにもできないので、達成できる戦略を一緒に考えて欲しい。」といったニュアンスで会議をひらいてもらった。

会議で営業を詰めてたマーケティングチームも必死にこの仕事を実現することに集中した。

どんな提案をすべきか、社内のチーム編成、お客さんに期待をさせすぎず、かつ期待を裏切らない納期やクオリティ、それを実現する方法、ギリギリの価格交渉の段取りなど、条件をひとつひとつ決めていった。

正直、予算と求められる納期、クオリティは釣り合ってなく、けっこうなディスカウントを求められていたので、クオリティキープと納期に間に合わせることがかなり困難だった。会社がまだ経験したことのない規模の仕事だったため作業日数の余裕も欲しかった。

お客さんに納期を伸ばしてもらう交渉、金額を一部引きあげてもらう交渉、クオリティが部分的に担保できないことを納得してもらう説明、など細かい交渉をすごい緊張感のなか、提案内容をブラッシュアップしてお客さんとの会話を重ねていった。

自分が送る提案メールの内容確認、資料の内容、電話をかけるタイミング、電話でどこまで話すかなどもチームにすべて相談してから実行した。

仕事ができる人からすると
「それくらい自分で考えてやるのが仕事だろ」って思われるだろうけども、本当に実現したいなら「使える手段はすべて使うべき」だと思っていた。自分は仕事ができないと自覚してたので、人に頼りまくった。仕事っていうのは作業を実行することではなく、目標を達成することだって開き直っていたから。

受注までの過程でチームが一丸となった

条件の交渉や期待されるクオリティや納期の調整を重ねた結果、最初の相談が来てから1週間程度でついにお客さんから連絡が来た。

「今回の仕事を正式に発注します。」と

ついに...仕事をつくった!!

ひーこら働いてその月はほとんど休みはなかったし、緊張感もすごかったけど、チームの雰囲気は同じ目標に向かったことで良くなった。そして何より、その仕事をこなしたことで「これくらいの規模の仕事はやれる」という会社全体の自信につながり、その翌年はその規模の仕事を順調に複数受注することができた。ゼロから新規開拓したわけじゃない、先輩から引き継いだお客さんだけど、自分のお客さんから大きな仕事をもらえた。「自分が達成した」とは言えないくらいチームに協力してもらったが、自分がはじめて達成した「仕事」だった。

目標達成率は10%から1000%に

僕のふだんの営業目標の達成率は、毎月最大で10%だった。この1つの仕事で目標達成率はなんと1000%を超えていた。(毎月の数値目標をはっきりと覚えてないが、その仕事だけで会社の年間売上の30%をつくった)

まったくヒットも打てなかったのに、この仕事を実現したことで(いつも話を盛る)社長が「あいつがホームランを打ったから、いまの会社がある」という評判を社内で積極的に話してくれて、社内での評価も全く変わった。

それからhお客さんとの交渉も自信をもってやれるようになり営業目標も100%-300%達成するレベルになった。やっぱり安定した実力が不足してて達成率が10%の月もあったけど、その翌年にはまた同規模の仕事をつくり、チャンスを見つけてはホームランを狙うようになった。ヒットも打てるようになったけど、ホームランをずっと意識し続けるような働き方になったのは自分の仕事の向き合い方に大きく影響を与え続けた。

ひとに頼る戦略

この話は運がいいだけに見えるかもしれない。その通りだと思う。でも、運を逃さなかった。まわりの人に協力してもらい運をちゃんと最大限に活用した。そのおかげでヒットすら打てなかった新卒1年目がヒットもホームランも打てるようになった。新卒がそんな結果を残すもんだから、他の人からは嫉妬されることもあったが、チームには「あいつがやったんだから、俺たちもやれる。やろう。」という空気が生まれた。

このエピソードは今でもぼくの仕事のやり方に影響を与えている。「難しいことを実現したいならまわりの人に頼るべきだ」。逆にいえば、「人に頼らないと難しいことは実現できない」ということ。人に頼るのが恥ずかしいとか、必死になるのが恥ずかしいとか、無茶いって人を困らせたくないとか、いろいろと「人を頼らないようにする理由」はある。でも、その程度で人に頼らないのならば、ほんとうにそれを実現したくないのでは?と思う。

あなたが本当にそれをやりたいのなら、ちょっと迷惑をかけるくらいは必要なこと。
迷惑をかけたならお詫びやお返しをすればいい。

難しいことを実現するためには周りの人に頼ろう。

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