お店は99%のお客さんを満足させればいい
こんにちは。福村です。
昨日、社内で「なんでお菓子屋の多くは儲からないのか、待遇がよくならないのか」という話が出たんだけど、それは「消費者の態度」と「それに忖度するお店」に起因していると思ってる。
お店は消費者の望むものを提供する。だから消費者の声を意識する。これは仕事において重要な態度である。でも、過剰に意識しすぎることは問題である。
お客さんからの悪い指摘は気にしてしまう
消費者は他にたくさんあるお店の中からそのお店を選んで消費する。
立地が良かったり、価格が安かったり、味が好みにあったり、店員さんの態度が良かったり、応援したくなるストーリーが良かったり、雰囲気が良かったり。
選ぶ理由はたくさんある。
一方で
立地が悪かったり、価格が高かったり、味が好みに合わなかったり、店員さんの態度が悪かったりストーリーが一切共感できなかったり、お店の雰囲気が悪かったり。
選ばない理由もたくさんある。
お客さんはそのお店のいいところをコメントする人もいれば、悪いところばかりコメントする人もいる。完璧なお店なんてないので、何かしらの欠点はどうしてもある。それを指摘する人は必ず出てくる。お店に欠点があると「他のお店は良かった。だからあなたも良くしなさい」と。
お店がお客さんに対して忖度してしまう
100人のうち、99人がいいところを褒めてくれても、1人が欠点を指摘して貶めると
お店はその1%の声をすごく意識して改善しようとしてしまう。
とくに人気があり人から注目が集まっているお店にはたくさんのコメントが集まる。まだ注目されてないお店は100人のうち1人がクレームするが、人気店だと10000人のお客さんのうち100人がクレームをする。例えば、「店員さんが暗かった」「箱に汚れがついていた」など。
人気店の店員さんは対応する量が多いので、めっちゃ疲れる。なんなら製造と販売を兼任してるので、めっちゃ疲れる。そんな人に勤務中ずっと笑顔でいろと強いることは酷だ。でもお客さんにとっては関係ない。お客さんは自分が消費するその一瞬が満足か不満か。それだけだ。
ここで、好きでいてくれる人がすでに9900人といるので、本来は自信をもっていいはずなのに、嫌いだと言ってる人100人を減らそうと意識してしまう。その結果、お店は不満を生まないように99%のクオリティをなんとか100%にしようとする。
のこり1%の改善コストがめっちゃ高い
仕事において99%のクオリティを100%(完璧)にしようとするコストはめちゃくちゃ高い。たとえば100個の商品を発送して、1個だけ箱に何かしらの不具合が生まれる可能性があるとする。
凹んでしまったり移動中に傾いてしまったりする箱の数を失くそうとすると
-過剰包装するコスト
-包装する人に包装の仕方を教え込むコスト
-配送会社を選定するコスト
などが生まれる
99人に満足してもらえるが1人に満足してもらえない可能性のために上記のコストをかけてしまう。
クレームは致命的なもの、数が多いものだけ気にするべき
お店は完璧を求めようとすると売上とコストが確実に合わなくなる。
お客さんがそのコスト分を払ってくれることはないから。
例えば1000人のうちクレームが10個きたとする。
①商品Aの包装が丁寧じゃない
②商品Bの箱が汚れていた
③お店が汚かった
④商品の陳列ケースが汚い
⑤トイレが汚い
⑥店員Aの態度が悪かった
⑦店員Bの服装が気にくわない
⑧商品Aの味が良くない
⑨商品Bの味が微妙だった
⑩ホームページがイケてない
クレームは多様である。消費者が多様だから。
じっさいに上記のすべてを改善しようとすると
①包装方法を全店員に指導する。
②包装後のチェック体制をつくる。
③商品の陳列ケースを曇りひとつなくふく。
④掃除するときのオペレーションを改善する。道具を増やす。
⑤掃除タイミングの回数を増やす。
⑥店員Aだけに指摘すると不満やプライドを傷つける可能性があるので店員全員に態度を指導する。
⑦店員全員の服装にルールを設定する。
⑧商品Aの味を改善したいが何が悪いかわからないので会議を行う。試作を何度もする。
⑨商品Bの味を。。以下同文
⑩ホームページの制作会社に依頼する
これら全てを改善なんてできないよね。しかも不満をもった10人のために。
消費者はもっと寛容になれ。お店は100%を目指すな。
ものごとは表裏一体である。
完璧なお店を求めている消費者がいれば、お店は完璧なサービスを提供しなければいけない。
逆に言えば、
消費者が完璧なお店を求めなければ、お店は完璧なサービスを提供する必要はない。
そう、僕がこの記事でいいたかったこと。
それは
お菓子好きの人たち。
細かいことでいちいちクレームをしてくれるな。
お菓子をつくるお店の人たち。
完璧なお店を目指すな。あなた方は99%のお客さんを満足させている。
それはすばらしいこと。自信をもってほしい。
そういうことです。
僕らはまだまだ多くのお客さんを満足させられていないので
まずは99%のお客さんを満足させることに邁進したいと思います。
残り1%のお客さんは。。。
ぜひクレームはしてください。儲かってたら改善します。
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